過熱蒸気発生装置の選び方

過熱蒸気発生装置を選ぶ際には、下記の3つのポイントに注意しましょう。

蒸気ボイラーの有無(余剰蒸気の有無)

蒸気ボイラーをお持ちで、余剰蒸気量がある場合は、一般的な過熱蒸気発生装置をご利用いただくことが可能です。

ですが、蒸気ボイラーをお持ちではない場合や、余剰蒸気量がない場合、新たに蒸気ボイラーを設置するには場所・コスト・認可など様々な条件をクリアする必要がございます。
まずは、蒸気ボイラーや余剰蒸気量の有無を確認しましょう。

トクデンUPSS Wシリーズであれば、水と電気のみで過熱蒸気の発生が可能なため、上記のような場合でも、蒸気ボイラーを新設・増設する必要がありません。

※UPSSは簡易ボイラーまたは小型ボイラーのため、取扱免許が不要。
誘導加熱方式であることから、電波法に規定される高周波利用設備の設置許可も必要ありません。

配管の長さ

過熱蒸気は伝熱能力が高く、熱需要設備までの蒸気搬送配管で大きく温度が低下します。
そのため、配管による熱ロスを考慮した装置選びが必要です。

配管が長い場合

トクデンUPSS Dシリーズでは、配管自身で誘導加熱・温度制御ができるため、配管の長さに関係なく必要な蒸気温度を維持することが可能です。

配管が短い場合

トクデンUPSS Wシリーズでは、最高1200℃の高温蒸気の発生が可能なため、配管熱ロスを考慮しても、十分に高い温度の蒸気を熱需要設備に供給できます。

蒸気の品質(純度・酸素濃度)

一般的な蒸気ボイラーで生成される飽和蒸気は、不純物や酸素を含みやすく、ワークによっては期待する結果が得られないことも少なくありません。

飽和蒸気ではなく水から過熱蒸気を生成することで、より純度が高く低酸素の過熱蒸気を生成することができます。

トクデンUPSS Wシリーズであれば、過熱蒸気の酸素濃度は数ppmですので、高品質の過熱蒸気を生成することが可能です。

トクデン過熱蒸気発生装置の利用例

蒸気ボイラーが無い場合(余剰蒸気なし)

  • 例) Wシリーズ 700℃ + 通常配管 1m → 熱需要設備入口蒸気温度 500℃
  • 例) Wシリーズ 1200℃ + Dシリーズ 1200℃ (配管温度) → 熱需要設備入口蒸気温度 1100℃

既存ボイラーがある場合(余剰蒸気あり)

  • 例) 既存ボイラー 150℃ + Sシリーズ 700℃ + 通常配管1m → 熱需要設備入口蒸気温度 500℃
  • 例) 既存ボイラー 150℃ + Sシリーズ 700℃ + Dシリーズ1200℃ (配管温度) → 熱需要設備入口蒸気温度 900℃
  • 例) 既存ボイラー 150℃ + Dシリーズ 950℃ (配管温度) → 熱需要設備入口蒸気温度 700℃

※蒸気温度は、配管サイズ・蒸気量・断熱等により大きく異なりますので、上記温度事例は参考値となります。

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